■映像の長さ 約27分 / Aeプロジェクトデータ(ページ最下部)
補足:有料プラグイン Trapcode Particularを使用
■完成映像イメージ
■この講座で学べること
・Trapcode Particularの基本操作
・パーティクルを止める方法
・パーティクルにライティングする
■シリーズの紹介
4回に分けて様々な桜エフェクトを作っていきたいと思います。
第1弾 Trapcode Particularを使って桜を降らせる方法
第2弾 Trapcode Particularのモーションパスを使って思い通りに桜の軌道を描く方法
第3弾 標準機能でつくる桜の花びらワイプ
第4弾 Trapcode Particularを使って花びらを生成して、枯れ木を満開にする方法
▼制作の流れ
今回は「桜を飛ばそう」シリーズ第4弾!最後の作品になります!!
今回作っていくのは
①下から上に飛んでいく桜
②何もないところから桜が生えてくる作り方。
この2つを作っていきたいと思います!
今回も前回までと同様の桜の写真を使います。
背景の映像は"Artgrid"の映像を使っています。記事の冒頭に素材先のリンクが貼ってありますのでダウンロードしてみて下さい。
01.枯れ木から咲く桜を作る
まずは枯れ木の動画をドラッグしてメインコンポジションを作ります。
名前を"Main_comp"にしておきましょう。尺はレンダリング時間も考えて10秒くらいにしました。次に、肝心の桜です。
花が咲く用のコンポジションを作成します。名前を「grow_sakura」にします。デュレーションは長めの20秒。フレーム数は"Main_comp"が"23.976"なのでそれに合わせました。
今回の桜も、Trapcode Particularで作って行きます。そのためには前回までと同様に、桜の花びらのテクスチャを作る必要があります。花びら用のコンポジションを作成します。名前を「Tex_sakura」としておきます。サイズは200×200pixel1フレームで大丈夫です。花びらの画像を読み込んで一枚マスクでくり抜きます。
これを"Particular"の機能を使って大量に複製していきます。
今、「Main_comp」「grow_sakura」「Tex_sakura」の3つのコンポジションが出来ています。
では、桜の花を咲かせましょう!!
「grow_sakura」に新規平面を作成します。名前を「part_grow_sakura」としておきます。
これにTrapcodeの"Particular"を適用させます。
このあたりは第1弾でも同じようなことをやっているので、
よかったらそちらもご覧ください。今回はサクサク行きます。
・発生源をボックスにします。
Emitter(Master)→Emitter Type→"Box"
・Veloctiy:0Veloctiyを0にします。
するとパーティクルがその場で発生して飛んで行きません
・桜のテクスチャを読み込みます。
Particle(Master)→Particle Type→"Textured Polygon"
これで画像を読み込むことができるようになります。
Texture→Layerに"tex_sakura"を選択します。
ただし、勝手に「コラプス」もついてしまうので「コラプス」を解除してください。
面倒ですがなぜかこの機能が付いてます。
するとパーティクル一粒一粒が桜に変わりました。
・花びらの向きを変えます。
Particle(Master)→Rotation→"Random Rotation""Random Rotation"の数値を増すとランダム感が出てきます。
・サイズを調整します。
Particle(Master)→Size Randomを入れます。
桜の花びらのサイズがランダムになりました。
"Size over Life"のカーブを図のようにします。
最初0%から徐々に大きくなるという動きが付きました。
パーティクルの寿命をコンポジションよりも長くしないと途中で消えてしまうのでParticle(Master)→"Life[sec]"を20秒にしておきましょう。
これで、ほぼ出来ました。
後は形を整えて行きましょう
Emitterのサイズを整えます。
Emitter(Master)→Emitter Size→"XYZ Individual"にします。
高さを潰して横に伸ばす。横長のボックスみたいにします。
Physics(Master)→Air→"Turbulence Field"
これは本来ナチュラルな動きを作る為に使うのですが"Turbulence Field"を使って木の形にゆがませます。
"Turbulence Field"で位置をランダムにするとランダムになったのは良いのですが、
花びらが動いてしまいます。
これだと意図したうごきではないので調整します。
これを止めたい場合は"Evolution Speed"を0に"Fafe-in Time[sec]"を0にします。
するとランダムに飛び散った状態の場所で発生してその場所から動かない状態になります。
桜のベースが出来てきました。
最後にライティングしてあげましょう。
ライティングすると陰影がつくのでより立体感が出てきます。
"ポイントライト"を追加します。
Particularの項目の中のShading(Master)をonにします。
するとこのパーティクルがコンポジションの中のライトの影響を受けるようになります。
こんな感じでライティングして行きましょう!
元の映像の光源を意識しながらライトを配置していきます。
ポイントライトを置いて、花が暗いと思ったら
アンビエントライトを置くと全体的に持ち上がるようになります。
好みがあると思いますがこれが一番お手軽かなと思っております。
花が咲く動きをつけることができたら、
アルファチャンネル付きのProRes4444で書き出しておきます。
これはレンダリング済みのQuickTimeとして使っていきます。
このように素材として書き出せるものは書き出しておく方が、時短にもなりますし、トライアンドエラーもしやすくなります。
では次は枯れ木に花を咲かせましょう!
02.木に合成
Main_compの中の"Artgrid"の映像を選択して
最初に3Dトラッキングを取りましょう。
"3Dカメラトラッキング"をかけます。
今これで3Dトラッキングを計算している間に桜のレイアウトをしていきましょう。
映像が動いてしまうとレイアウトがしづらいので、映像を複製してフレームを固定しておきます。
こうすると1コマ目で固まった状態になります。
桜の花びらをいくつか複製して枝に沿って並べます。サイズ感を調整しましょう。
今回、一つの素材を流用してしまっているのでどうしてもパターンに見えてしまうのですが時間に余裕がある方はいろいろバリエーションを作ってみるとより変化が出てくると思います。
再生してみましょう。
このように桜を徐々に咲かせることが出来ました。
それではタイミングをずらしてランダムにします。
桜の花は"command + shift + C"でプリコンポーズしましょう"sakura_set"と名前をつけておきます。
トラッキングのほうもとれたようです。
静止画用に置いていたものは削除しても大丈夫です。
トラッキングを取った一番下のレイヤーにトラッキングのマーカーが沢山出ているはずです。
3点以上選択して赤い的のようなターゲット(原点)を作成します。
なるべく動きの無い波間でない部分を選択するようにしましょう。
ターゲット(原点)は動かすことが出来るので、なるべくシーンの中心になりそうな部分に置くようにします。
右クリック→"グリッドと原点を設定"を押します。
中心点がを設定することが出来ました。
続いて、右クリック→"平面とカメラを作成"します。
再生してみましょう。
すると平面が画面に張り付いてるようになりました。
これでトラッキングをとることが出来ました。